産婦人科医療--明日への展開 診断基準--新しい局面
Ⅰ.婦人科篇
中枢性性機能異常
青野 敏博
1
,
寺川 直樹
1
,
脇本 博
1
,
堤 博久
1
,
倉智 博久
1
,
倉智 敬一
1
Toshihiro Aono
1
1大阪大学医学部産科婦人科学教室
pp.633-636
発行日 1983年9月10日
Published Date 1983/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206864
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間脳—下垂体—卵巣系で作られた機能環によって規則正しい月経周期がもたらされるが,この機能環の何処かに異常が起きると排卵障害および無月経が招来される。無排卵を引き起こす部位としては卵巣原発障害に比し,中枢性障害が圧倒的に多く,かつ中枢障害の中でも視床下部障害によるものが多いことが知られている1)。したがって,中枢性排卵障害の症例を的確に診断し,治療方針を決定することは日常診療上大変重要な事項と思われる。
本稿では中枢性性機能異常の原因疾患の種類とその意義について述べたあと,ゴナドトロピン分泌を中心とする本症の診断法について解説し,終わりに各種原因疾患を鑑別するために我々が日常行っている方法を示して説明を加えることとする。
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