産婦人科医療--明日への展開 診断基準--新しい局面
Ⅰ.婦人科篇
性分化の異常
藤本 征一郎
1
,
林 宏
1
Seiichiro Fujimoto
1
,
Hiroshi Hayashi
1
1北海道大学医学部産科婦人科学教室
pp.621-631
発行日 1983年9月10日
Published Date 1983/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206862
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男女の性別の決定は,出生時に新生児の外性器所見によってなされており,その性別判定をもとに,養育・教育され,その後思春期・青年期をむかえて,原発性無月経,外性器異常(陰核の肥大,陰唇癒合など),多毛症,発声異常,体型異常,乳房発育不全などを訴えて来院し,はじめて性分化異常症の診断的アプローチをすすめることが多い。すなわち,二次性徴の発現,性機能の発現に関係してその異常に気がつくまで放置されることが多いのである。
性分化異常症の出生頻度はすべてを総計して0.2〜0.3%程度と低いが,しかし,性別判定を誤れば,その個人の一生にとって,また家族にとっても重大な問題をのこすことになり,その診断は早期にしかも確実になされなければならないことは論をまたない。
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