年間テーマ--診断から治療へ 妊娠成立の異常
卵巣機能異常の診断から治療へ
青野 敏博
1
,
塩路 武徳
1
,
近藤 国男
1
,
辛川 武久
1
,
衣笠 隆之
1
,
三宅 侃
1
,
倉智 敬一
1
Toshihiro Aono
1
1大阪大学医学部産科婦人科学教室
pp.347-352
発行日 1975年5月10日
Published Date 1975/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205177
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不妊の原因として卵巣因子はかなり大きな部分を占めている。無月経症,無排卵周期症はもちろん,黄体機能不全症も不妊をもたらす要因となりうる。近年血中gonadotropinやsteroid hormoneの微量測定法の確立や,LH-RHの臨床応用などにより排卵障害の病態生理解明へのアプローチは急速に進歩を逐げ,また治療法としてはClomidやHMG製剤の導入によりかなりの成果が挙げられるようになつてきた。
実際に排卵障害の治療を行う際にはまず正確に患者の病態を把握してそれに適合した方法を選ぶことが肝要であるが,またこの点が一番難かしい問題といえよう。そこで本稿ではまず不妊の原因としての卵巣機能異常の病態について解説し,ついで鑑別診断の進め力と検査成績の読み方,さらには治療方針の立て方について述べることとする。
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