原著
子宮体癌検査法の比較成績—ディスポーザブル吸引式組織診を中心に
松沢 真澄
1
,
荷見 勝彦
1
,
陳 信夫
1
,
高橋 道子
1
,
滝沢 憲
1
,
曽 栄輝
1
Masumi Matsuzawa
1
1埼玉県立がんセンター,婦人科
pp.117-122
発行日 1982年2月10日
Published Date 1982/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206566
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子宮体癌は,わが国においては頸癌にくらべて少なく,かつては子宮癌全体の4%くらいの頻度であったが1),近年増加の傾向にあり,全国87病院のアンケート調査によると2)10%以上になってきている。ことに癌専門施設においては15%前後であり3,5),子宮癌の7人に1人は体癌ということになり,子宮癌の検診にあたっては頸癌検診のみでは不十分で,体癌の検診を併用することが必須の時期になってきている。体癌の検診では,頸癌における擦過細胞診のごとく簡便でしかも診断率の高いものがなく,内膜細胞診では洗滌法・吸引法・ブラッシ法などが行なわれ,内膜組織診ではゾンデ・キュレットによる4方向掻爬が行なわれてきたが,それぞれ一長一短があり,決定的なものがなかった。このたび,われわれはIPAS社製のディスポーザブル吸引式内膜組織診法(Aspiration Syringe Kit)を入手し,他の方法に代わりうるか比較検討を試みたので,その成績について報告する。
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