看護合理化用品特集 ディスポーザブル用品のいろいろ
看護業務の合理化とディスポーザブル
安田 千代子
1
1大森赤十字病院
pp.75-78
発行日 1968年10月15日
Published Date 1968/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914309
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はじめに
数年前に米国海軍病院関係に勤務していた知人が,上司であるアメリカのナースを連れて来院した。私は日本の小病院の看護の苦心どころを大いにPRしたいと思い,病院現状,特に看護用具の工夫など説明中,たまたまネラトンカテーテル掛けをみせたところ,私の知人いわく,「ほとんどのものが使い捨てなので,このような工夫は必要ないのだ」といわれてがっかりしたことがある。もちろんお互いの看護の問題点が,いかに違うかをはっきりと思い知らされたのであるが,反面1回の使用で捨てることには,なんとなく抵抗があった。再生したりまた保管のための工夫をいかに能率よくするか,当時も今も,私にとって全く重要な問題である。持てる国はちがうと単純に考えたが,私たちは独立採算制の貧乏根性が身についていて,うらやましいとも思えなかったのである。
あれからわずか数年,日本の医療の中に進出したディスポーザブルはまたたく間に流行児となり,特に看護関係の注目を集めることになった。その意味で看護管理上からみたディスポーザブルの利用価値,合理化のためのディスポーザブルの活用状況などが論議されることになったのは当然のなりゆきである。
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