Modern Therapy Modern Therapyの反省
新生児黄疸における光線療法の問題点
大西 鐘壽
1
,
伊藤 進
1
,
真鍋 正博
2
,
犬飼 和久
2
,
磯部 健一
2
Shoju Onishi
1
,
Susumu Itoh
1
,
Masahiro Manabe
2
1香川医科大学小児科学教室
2名古屋市立大学医学部小児科学教室
pp.893-899
発行日 1981年12月10日
Published Date 1981/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206537
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新生児黄疸の光療法の有効性に関しては,現在疑うものはなく,全世界で広く行なわれており,すでに10数年の歴史をもっている。しかしそのビリルビン代謝の基礎的研究は遅れ,初期においてはビリルビンの光酸化が主要な経路と考えられていた1)。1978年Bonnettら2)がX線回折によりビリルビンの立体構造を解明したのを契機として,その研究が加速度的に進歩した。すなわち光のエネルギーによるビリルビンの立体異性化ならびに構造異性化を通じて主として胆汁中へ(一部尿中へ)排泄されることが明らかとなり,従って光療法におけるこの主要なビリルビン代謝をふまえて光療法の副作用を考え直す必要に迫られてきているといえよう。ビリルビンの光化学反応については,他の総説においてすでに詳細に論じたので3,4),ここでは概略を述べるに止める(表1,図1)。また1976年以前の副作用についてもすでに詳述したので(表2),それを参考にされたい5)。以下われわれの成績を含めて光療法の問題点について論じたい。
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