けんさ質問箱
創傷治癒におけるXIII因子の役割
小池 克昌
1
,
池松 正次郎
1
,
S生
1東京医大臨床病理
pp.560
発行日 1988年6月1日
Published Date 1988/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205817
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問 創傷治癒におけるXIII因子の役割についてお教えください.またXIII因子低下の疾患特異性についてもご教示ください.(島根・S生)
答 XIII因子は活性化されると,血液凝固反応の最終段階で生じた可溶性フィブリンをさらに物理的,化学的に強固な凝血塊とするために,ブイブリン分子間にイソペプチド結合から成る分子間架橋(crosslink)を形成させる役割を負っている.この反応はXIII因子のトランスグルタミナーゼ活性によるもので,その作用はフィブリン間の結合だけではなく,コラーゲン,細胞膜表面や血漿に存在するフィブロネクチン,α2-プラスミン・インヒビターなども基質としてイソペプチド結合を形成することが知られている.
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