Modern Therapy リスク症例と手術
高齢・肥満と手術
森 一郎
1
,
有馬 直見
1
,
藤野 敏則
1
,
新川 義容
1
Ichiro Mori
1
1鹿児島大学医学部産科婦人科学教室
pp.37-41
発行日 1981年1月10日
Published Date 1981/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206375
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肥満者では諸種の代謝や,心・肺・腎機能の障害,糖尿病,高血圧など,また高齢者ではこれらに加え各臓器の予備力の減退や,血管の硬化および脆弱などを伴いやすいので,これら両群では手術に対する抵抗力は弱い。一方,婦人科手術では骨盤深部での操作が多いので,肥満者では技術上の困難があるし,高齢者では出血によって術部の判別が困難になりやすい。加えて肥満者と高齢者は周知のようにとみに増加しつつあるので,このような例の手術に遭遇することが最近多くなっている。そこでここ昭和50〜54年の5年間の教室のこれらの例の傾向についてまず触れ,ついで,肥満・高齢者の手術の代表的な症例と一般的な注意について述べてみたい。
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