実地臨床手技のエッセンス 症状よりみた検査法の選択
不定愁訴
不定愁訴への提言(その2)
森 一郎
1
Ichiro Mori
1
1鹿児島大学医学部産科婦人科学
pp.951-953
発行日 1979年12月10日
Published Date 1979/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206157
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.不定愁訴の概念
不定愁訴とは
阿部教授が,明らかに器質的疾患が見出されずに,全身性,筋神経系,循環器系,消化器系などの多彩多様な愁訴を示す一群の患者に対し不定愁訴症候群と命名し,その愁訴を不定愁訴と呼んだことからこのような言葉が用いられるようになったが,その内容としては,はじめは漠然とした自律神経系愁訴の概念が強かった。ところが本質的に自律神経失調と結びつかない症例もあるので,最近では,"漠然とした身体的愁訴で,しかもこれに見合うだけの器質的なうらづけのない愁訴"という概念がとられている。
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.