Modern Therapy 周産期薬物療法の問題点
新生児の薬物療法—産科医の立場より
武田 佳彦
1
Yoshihiko Takeda
1
1高知医科大学産婦人科教室
pp.901-904
発行日 1980年12月10日
Published Date 1980/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206353
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胎児への薬剤投与は,胎内治療の目的で積極的に行なわれる場合と,妊娠中母体の合併症治療の目的で投与された薬剤が,胎盤を経て胎児に移行する受動的な場合がある。胎内治療の際には,胎児への移行動態や血中濃度が効力に直接関係するために薬物代謝も詳細に検討されるが,母体治療を目的とした場合には著明な副作用を除いて,必ずしも十分な検討が行なわれず,胎児あるいは出生後の新生児適応に影響する場合も少なくない。胎内治療を目的とした場合にでも,胎児では母児相関で保護され,治療効果が高いにもかかわらず,出生後は濃度平衡が乱れて新生児適応を乱す場合もある。本稿では妊娠中に投与されたもので新生児適応に影響する2〜3の薬剤について最近の知見をまとめてみたい。
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