先進医療—日常診療へのアドバイス 特集
未熟児管理の進歩
current concept
未熟児医療の現況
武田 佳彦
1
Yoshihiko Takeda
1
1東京女子医科大学母子総合医療センター
pp.95-100
発行日 1986年2月10日
Published Date 1986/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207322
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未熟児保育が一般小児科あるいは産科からそれぞれの専門分野として行われるようになってからほぼ20年を経過する。この間の進歩はめざましく,当初は生下時体重1,500gが生育限界と考えられていたが現在では500gの児でも生育可能となって来ている。生育限界の低下につれて病態生理学的にもたきな変遷があり,重症疾患も核黄疸,未熟児網膜症,呼吸障害,超未熟児と年代的に問題点が推移して来た。最近保育上とくに重視されていることは超未熟児の管理があり,単に新生児期の適応不全ばかりでなく,発育と成熟の分離が疾患像と結び付いて長期予後に対する影響,発症要因としての産科管理上の問題が提起されて来ている。また出生時の状態が適応不全の悪循環の起点となることが明らかにされ,分娩そのものの対策が必要となって来ている。
本稿では2〜3の問題点について最近の動向を展望したい。
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