研究
重症黄疸の薬物療法
武田 佳彦
1
,
西川 昇
1
,
河野 一郎
1
,
住友 良吾
1
,
西脇 新五
1
Yoshihiko Takeda
1
1岡山大学医学部産科婦人科学教室
pp.765-769
発行日 1968年9月10日
Published Date 1968/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203934
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はじめに
新生児重症黄疸は肝未熟性のためのBilirubin抱合不全を主徴とするものと,母児間血液型不適合による溶血亢進とに大別されるが,いずれも遊離型である間接Bilirubinの蓄積であり容易にBlood-Brain Barrienを越えて核黄疸をきたすためにその取扱いは極めて重要である。
さて重症黄疸の治療は間接Bilirubinの体外への排除に尽きるが,その意味からも根本療法としての交換輸血の意義は大きく,特に溶血性黄疸では唯一の治療法といつても過言ではない。しかしながら交換輸血の児に対する侵襲の大きさを考えるとき,その頻度を必要最小限に止めるための補助療法として薬物療法の意義が生じてくる。とくに非溶血性因子による重症黄疸は発現時期も遅く,経過も比較的緩慢でその原因が改善されれば急速に治癒するので薬物療法の効果が最も期待される。
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