特集 リプロダクションと社会問題
家族計画と社会問題
神保 利春
1
Toshiharu Jimbo
1
1香川医科大学母子科学講座
pp.444-454
発行日 1980年6月10日
Published Date 1980/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206262
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家族計画(family planning)は,今や発展途上国,先進国を問わず,まさに世界的なレベルでの重要な問題となっていることは論をまたない。1979年秋,東京で開催された第9回国際産婦人科連合世界大会においても,social problems in obstetrics and family planningとして,主題セッション(plenary session)の第一にとりあげられ,一般演題(free communication)中,family planningに関するものは57題にも達している。さらに,関連会議をみても,思春期の避妊と人工妊娠中絶が第5回国際小児思春期婦人科シンポジウムの主題となっている。この他,家族計画をめぐって,WHOワークショップ,IFRP (international fertility research program)と日母共催のセミナーなども開催された。すなわち,家族計画をいかにおし進めるか,最善の方法は何かという問題は,政治,経済,教育,習慣などの違いやレベルの差を超えた共通の問題であり,切実でしかも誰もがともに参加し,討議できるテーマであることを示していたともいえよう。
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