特集 明日の公衆衛生
今後に期待するもの
家族計画
久保 秀史
1
1公衆衛生院衛生人口学部
pp.18-22
発行日 1957年7月15日
Published Date 1957/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201843
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公衆衛生の目的は,すべての国民が健康で,幸福な生活を営めるようにすることであるのは,いまさら言うまでもなかろう。ところで,わが国の公衆衛生は,戦後急速な発展をとげて,僅か10年たらずの間に,死亡率を半減するという,世界史上に類を見ない輝かしい効果をあげたのである。この死亡率の著しい低下は,日本人の寿命を延ばすことに成功し,特に0才の平均余命は,昭和10年に比して約20年という驚くべき延長となつて現われたのである。
このような死亡率の低下,即ち寿命の延長は,人間にとつて望ましい現象であるが,かりに出生率が一定で変りないとすれば,日本の人口は,死亡率の低下した分だけ増加することになる筈である。
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