薬の臨床
新向精神薬Sulpiride (Dogmatyl)の臨床評価—とくに婦人の抑うつ症・心身症を中心として
長谷川 直義
1
Naoyoshi Hasegawa
1
1秋田大学医学部産婦人科学教室
pp.153-158
発行日 1980年2月10日
Published Date 1980/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206204
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不定愁訴を主徴とする身体症状を訴えて婦人科外来を訪れる患者はけっして少なくない。従来,これらに各種ホルモン剤が投与されてきたが,症例のうちにはホルモン療法で奏効しないものもみられた。このような患者を検討した結果,同じく不定愁訴症状ないしは,それとはなはだ類似した症状を有しながら,本態的には心身症であったり,あるいは仮面うつ病と診断されるものなどがあることを知った。したがって,治療にも近年は抗不安剤や抗うつ剤などの向精神薬がひろく適用されるにいたっている。
今回,われわれは藤沢薬品工業株式会社の提供により,フランスDelagrange社で開発された新しい向精神薬Sulpirideの臨床試験を行なう機会を得た。そこで,秋田大学医学部付属病院・心療センター外来を訪れた婦人の諸疾患を対象として,臨床試験を行なった。
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