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特集 DSM-5からDSM-5-TRへ—何が変わったのか
抑うつ症群—DSM-5からDSM-5-TRへの変更点
Depressive Disorders: Changes from DSM-5 to DSM-5-TR
竹林 実
1
Minoru Takebayashi
1
1熊本大学大学院生命科学研究部神経精神医学講座
1Department of Neuropsychiatry, Kumamoto University Faculty of Science, Kumamoto, Japan
キーワード:
抑うつ症
,
depressive disorders
,
死別
,
bereavement
,
意気消沈
,
demoralization
,
DSM-5-TR
Keyword:
抑うつ症
,
depressive disorders
,
死別
,
bereavement
,
意気消沈
,
demoralization
,
DSM-5-TR
pp.1364-1369
発行日 2023年10月15日
Published Date 2023/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207094
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抄録
抑うつ症群は,悲しみあるいは易怒的な気分が存在し,その人の機能において,身体・認知が有意な変化を伴う疾患である。双極症に近いものから重篤気分調節症,うつ病,持続性抑うつ症,月経前不快気分障害,物質・医薬品誘発性抑うつ症,他の医学的状態による抑うつ症,他の特定される抑うつ症,特定不能の抑うつ症,特定用語に分けられており,変更はない。全体的には,有病率,遺伝率,環境要因,特に幼少時トラウマ・性別・差別に関する内容のアップデートが行われている。うつ病に関しては双極症の鑑別,他の医学的要因として膵臓がんが追加されている。さらに,うつ病の軽症エピソード,死別反応,身体疾患罹患による意気消沈,マタニティブルーなど,疾患と正常の境界に位置する用語について,注意が払われているのも大きな特徴と言える。
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