症例
絨毛性疾患における化学療法剤とPS-Kの使用経験
山本 宝
1
,
津田 昌一郎
1
,
本庄 英雄
1
,
岡田 弘二
1
Takara Yamamoto
1
1京都府立医科大学産婦人科学教室
pp.145-150
発行日 1980年2月10日
Published Date 1980/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206202
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MTX,Act-Dなどの有効な化学療法剤が出現して以来,絨毛性疾患の治療体系は確立され,治療成績の面でも著しい進歩がみられる。しかし,このような優れた化学療法剤が出現してもなお現在,これら化学療法に抵抗を示す症例が存在し,われわれはこれら症例に対し,手術療法,放射線療法に工夫をしている1,2)のが現状である。
一方,絨毛性疾患はその発生由来組織が胎児側の絨毛組織であり,一種の同種移植腫瘍の性格を有し,ヒトの癌の中でも自然退縮のみられるものの一つである。近年,一般の悪性腫瘍と同じように絨毛性疾患でもその免疫能低下が指摘され3),宿主の免疫力上昇の意味からも絨毛性疾患に対して免疫療法が導入されて,この疾患の完全寛解への期待がもたれている。
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