生涯研修セミナー 子宮筋腫
病因
岡田 弘二
1
,
山本 宝
1
Hiroji Okada
1
,
Takara Yamamoto
1
1京都府立医科大学産婦人科学教室
pp.650-654
発行日 1988年7月10日
Published Date 1988/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207826
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子宮筋腫は女性生殖器に発生する腫瘍の中で最も多く,臨床上われわれが最もよく遭遇する良性腫瘍である。この腫瘍は30代以降の性成熟期の女性に好発し,教室の統計によると,その頻度は全年齢層の担筋腫患者の77%に相当し,外来で筋腫と診断された患者数は総婦人科患者数の8.3%と高い割合を占めている1)。
このように頻度が高くポピュラーな筋腫ではあるが,子宮さえ摘出すれば症状が消失することにより,その病因等の検索については従来より統計的処理に委ねられることが多く,一般的な概念のみで説明されることが多かったように思われる。しかし,不妊,流産の合併も高く,担筋腫患者に対する新しいホルモン療法の試み2)も行われようとしている昨今,筋腫の病因についてあらためて整理し,理解しておくことは必要である。
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