Modern Therapy 婦人科劇症の治療
特集コメント
拡大的コメント
滝 一郎
1
1九州大学医学部産婦人科学教室
pp.142
発行日 1980年2月10日
Published Date 1980/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206200
- 有料閲覧
- 文献概要
劇症とは,劇しい症状,あるいはそのような症状を呈する状態であるとの編集者の定義にまず賛同し,では,劇症の臨床的な表現はどのようなものかと考えると,自覚的なものとして,疼痛,悪心,嘔吐,冷汗,めまい,脱力,消耗,動悸,熱,腫脹などがあり,他覚的には,通常の診察によって認められるものとして,発赤,腫脹,出血,胸腹水,蒼白,貧血,発熱,脈拍異常,圧痛抵抗,叩打痛,意識混濁,失神などがあり,これらはともに局所変化,神経系,循環系,内分泌代謝系の急激な変化として大別できる。いわゆるショックは一次性,二次性ともに,血流動態の急激な障害の表現として,劇症の代表的なものである。もちろん,血液・尿,循環系,呼吸系,泌尿系,代謝系などについての諸種臨床検査で得られるデータに基づく劇症の捕捉も大切である。
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.