FIGO TOPICS 私が感銘を受けた講演
LH-RHに関する最近の進歩/胎児性分化の比較考察
加藤 順三
1
1帝京大学医学部産婦人科学
pp.955
発行日 1979年12月10日
Published Date 1979/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206158
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■Basic Aspects of the Hypathalomo-Pituitary Axis
膨大な情報が提供された今回のFIGO大会や関連学会の一部だけしか,きいたりみたりできなかったが,印象の強かったものの1つとして,LH-RHに関する最近の進歩があった。
Free Communication (FC 55 A)でのSchally教授ら最先端の研究発表がキャンセルされてしまったのは残念であったが,幸いにも教育講演で綜括的にうかがうことができた。LH-RHの作用基と結合基とが明瞭に分離され,また,アミノ酸を入れかえたり,組みかえたりしてLH-RH analogがまるで魔術のように続々と開発されてくる状況が紹介されたのは,感無量であった。というのは,小林隆先生の教室のいわゆる6研にいたときは,まさにLH-RFの実証をめぐって,McCann研などと激しく先陣争いが行なわれている真中におり,大きな歴史のうねりの目撃者の一人であったからだ。それにしても,ニューオリンズでのMatsuo,Babaの日本人グループによるLH-RHの構造決定が,ついこの間だと思えるのに,その進歩の早さは,今さらながら驚異であり,ある種の恐れを感じたのは小生だけであろうか。
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