実地臨床手技のエッセンス 症状よりみた検査法の選択
帯下
帯下への提言(その1)
古谷 博
1
,
久保田 武美
1
Hiroshi Furuya
1
1順天堂大学医学部産婦人科学教室
pp.917-918
発行日 1979年12月10日
Published Date 1979/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206143
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帯下は独立した疾患名ではなく,いろいろな原因にもとづく婦人科特有の症状である。その原因はきわめて多く,感染症,悪性腫瘍,ホルモン失調などのほか,妊娠性,心因性の帯下もある。帯下の発生部位にしても,外陰,腟,頸管,子宮,卵管というように婦人科で対象とするほとんどの臓器があげられる。また,病変の程度もさまざまで,たとえば腟トリコモナス症や外陰・腟カンジダ症,萎縮性腟炎などのように外来で治療できるような比較的軽症のものもあるし,帯下という症状の裏に悪性腫瘍,骨盤内感染症や糖尿病をはじめとする慢性消耗性疾患など重篤な病変がかくされていることもある。
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