実地臨床手技のエッセンス 妊娠に合併する難症のとり扱い--他科よりのアドバイス
妊娠に合併する循環器疾患の管理
福崎 恒
1
Hisashi Fukuzaki
1
1神戸大学医学部第1内科学
pp.857-862
発行日 1979年11月10日
Published Date 1979/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206127
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心疾患を有する女性の診療にあたり,常に問題となるのは,将来その患者が妊娠,分娩に耐えうるか否か,すでに妊娠中の場合には果たして妊娠を継続させるべきか否か,また継続させるにはどのような管理が必要かなどである。もとより,かかる決定には患者の病状のみならず,社会的,経済的事情,さらにすでに子供をもうけているか否かなどの医学以外の諸問題が十分考慮されるべきであろう。
以上の問題点を的確に処理するには,まず妊娠そのものに起因する循環動態の変動を認識し,妊娠に心疾患が合併しているのか,妊娠そのものの変動であるのかを正しく鑑別しなければならない。ついで,合併する心疾患があれば,その診断を明確にし,しかもその重症度,とくに心不全の程度,ひいては心機能ないしは心予備力を判定しなければならない。
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