新しい視点をさぐる 診断のテクニック
下垂体・卵巣系の異常—無排卵症のゴナドトロピン分泌能について
森 崇英
1
,
藤田 泰彦
1
,
木下 康
1
Takahide Mori
1
1京都大学医学部婦人科学産科学教室
pp.655-658
発行日 1978年9月10日
Published Date 1978/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205889
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ゴナドトロピン(以下Gと略す)の測定とLH放出ホルモン(LRH)による性上位部の機能検査が登場した今日,無排卵症の原発障害部位がどこであるかは比較的容易に診断できる。しかし障害の程度は,障害部位が同じでも各症例によってかなりの開きが予想されるので,各症例に応じた治療法の選択が要請される。
この要請に応ずるためには,静止状態in situにおけるホルモン測定とともに,各種負荷試験が行なわれている。ところがLRHの測定法が確立されていないので,視床下部機能はGの動きを通して間接的に推定せざるを得ない。本稿では視床下部機能がとくに問題となる3種の無排卵症をとりあげ,そのG分泌能について考察してみたい。
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