新しい視点をさぐる 放射線診療のBlind Spots
子宮癌と放射線診断
荒居 竜雄
1
,
須田 善雄
1
,
中野 政雄
2
,
油井 信春
2
Tatsuo Arai
1
,
Yoshio Suda
1
,
Masao Nakano
2
,
Nobuharu Yui
2
1放射線医学総合研究所病院部
2千葉県がんセンター放射線治療部
pp.476-480
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205857
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婦人科領域の癌に対して放射線は,治療面ではきわめて有効な方法として,その存在は高く評価されているが,診断面においてはあまり重要視されない傾向にある。放射線診断は身体の深部病巣に対して探索的検査に効果を発揮するが,生殖器癌の大部分は体表に近い臓器で,視診および触診で病状が大略確かめられる。疑わしいときは容易に試験採取ができ,病理学的診断が可能である。放射線診断が役立つ臓器は深部にある卵巣のみといえそうである。卵巣腫瘍の悪性度の判定に超音波,CT,血管造影などの検査が有効であることはよく知られている。
今度与えられたテーマは放射線診断における盲点ということなので,卵巣腫瘍の診断は教科書を参考にして貰うことにして,子宮癌の放射線治療にX線およびRI診断がどのように利用されているかを紹介してみたい。
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