研究へのいざない・9
生物の性別判定法
相馬 広明
1
Hiroaki Soma
1
1東京医科大学産科婦人科学教室
pp.197-205
発行日 1978年3月10日
Published Date 1978/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205791
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ヒトを含めて生物の性別判定には,細胞遺伝学的な判定が主要をなしているが,これとてもヒトにおけるように,他生物ではそう簡単には判別し得ない場合がある。また生後の児の外陰部の特徴や,その後の二次性徴を判定の指標とするが,中でも性腺による性別判定は重要である。しかしヒト性腺の識別には腹腔鏡や,試験的開腹などによる生検が可能であるが,他動物ではそう簡単にはなし得ない。
そのためホルモンによる判定が加えられてきている。これまでヒトやその他特殊動物にみられる半陰陽や,intersexにおける報告は実に多くなされているが,鳥や動物で外見上,性別の判然としないものは,自然界に数多く存在しており,それに対する検索は容易でない。しかしその性別検査については,最近次第に進歩してきている。これらの根幹をなすのは,ヒトを対象としての産婦人科領域での性別判定の応用であり,ヒト以外の哺乳動物,鳥類,爬虫類などについての性別判定にもいろいろの情報がもたらされてきている。
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