技術講座 一般
試験紙法の判定とコツ
相賀 静子
1
1国立東京第一病院研究検査科
pp.72-73
発行日 1973年5月1日
Published Date 1973/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200154
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一般検尿定性検査の大部分は試験紙法に変わった.変わったというのは,従来は試験管を使って,化学実験のような手技にみえたわけである.そして,試験紙法は検体に試験紙を浸し,すぐに引き上げて色調変化をみるだけで判定は終わってしまい,少しも化学実験らしい感覚はわいてこない.というわけで,取り扱い方,判定のしかたがどうしても化学実験を行なう時のような真剣さがでてこない.ところが,これもりっぱな化学実験法であって,使い方によってはいくらでも誤りが起こりうるし,失敗もするということを述べてみたい.
試験紙法は臨床検査のうちで最も簡単な手技である,まちがうはずがないと考えるのがあやまちのもとである.最も簡単な手技ほど自動機械化しにくいということと同じであって,簡単にするためのくふうはたいへんな努力であったと思われ,それだけまちがいの起こる確率も多すぎるくらいあると考えてよい.
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