特集 小児科医が知っておくべき性の知識
総論:思春期発来の機序
性別変更のための特例法の課題
谷口 洋幸
1
TANIGUCHI Hiroyuki
1
1青山学院大学法学部ヒューマンライツ科
pp.1687-1690
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000418
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はじめに―公的書類における性別記載
日常生活のさまざまな場面において,人は性別によって分類され,それぞれの性別を生きている。ほとんどの場合,性別はその人の外見や言動から判断されているが,公的書類に記載される性別も一つの拠り所となる。性別記載は,生まれたときに割り当てられた性別(assigned gender)と自分が生きている/生きたいと認識する性別(gender identity,性自認)が一致している人にとって,とりたてて問題を生じさせるものではない。むしろ自身の存在に関する公的な証拠として,簡便かつ有効に機能している。もっとも,公的書類の性別記載そのものの提示が意味をもつ場面は,実際上,きわめて限られている。
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