指標
甲状腺機能異常妊婦の臨床
望月 眞人
1
Matsuto Mochizuki
1
1神戸大学医学部産科婦人科学教室
pp.161-170
発行日 1978年3月10日
Published Date 1978/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205784
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内科的疾患である甲状腺疾患に,特異な内分泌環境をもった妊娠が加わる関係上,甲状腺機能異常妊娠はややもすると境界領域疾患として,適切な処置を欠きやすく,また妊娠時の甲状腺機能の特異性や母児相互間での甲状腺刺激ホルモンや甲状腺ホルモンなどの代謝の詳細がいまひとつ明確でないので,臨床的に困難な問題に遭遇することが多い。
したがって,このような場合の正確な診断と適切な治療のためには正常妊娠時の甲状腺を中心とした内分泌を熟知し,その機能をよく理解しておく必要がある。ここでは,甲状腺機能異常妊娠の疫学,妊娠時の甲状腺機能調節の特異性,妊娠時における甲状腺疾患の診断の要点,治療と管理,さらに新生児の甲状腺機能などの諸問題について述べる。
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