今月の臨床 計画妊娠—合併疾患への対応
内分泌・代謝性疾患
7.甲状腺機能亢進症
望月 眞人
1
Matsuto Mochizuki
1
1神戸大学医学部産科婦人科学教室
pp.1252-1255
発行日 1991年11月10日
Published Date 1991/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900605
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妊娠すると母体には巨大な内分泌機能と代謝をもつ胎盤と胎児が包含され,胎児は僅か280日間で3,000gにまで発育,成長する。妊娠そのものは生理的なものと理解されているが,児の発育に対する母体の内分泌,代謝の諸相はすさまじく変化をなし,それはまさにhigh risk physiologyといえる状態にある。つまり視点を変えれば,妊娠は母体に対する大きなdynamic testであり,もし母体が合併症を根底にもつ場合,負荷に耐えきれず,その妊娠はhigh risk pregnancyへとつながることになる。
この際,重要な問題は合併症疾患の経過に妊娠がどのような影響を及ぼすかではなくて母児への影響をまず優先に考慮すべきである。
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