綜説
HB抗原の母児間感染について
井庭 信幸
1
,
梅沢 潤一
1
Nobuyuki Iba
1
,
Junichi Umezawa
1
1県立倉吉厚生病院産婦人科
pp.59-61
発行日 1978年1月10日
Published Date 1978/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205764
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1965年Blumberg1)がオーストラリア抗原(Au抗原)を発見して以来,B型肝炎の実体が明らかにされつつある。B型肝炎の血液中にはHBcAg (B型肝炎,core抗原),HBsAg (B型肝炎surface抗原)の2種類と最近Margius8)によって発見されたe抗原を加えた3種類が存在する(表1)。
最近までよくみられた輸血後の肝炎はHB抗原の関与が考えられていたが,1972年以来日赤でHB抗原の検査実施により,約50%の減少をみている。現在までの研究成果によると,HB抗原陽性者の一部は将来,慢性肝炎→肝硬変→ヘパトームという経過をたどるといわれており,産科領域でもHB抗原の母児間感染について注目されている。当科において妊婦と新生児臍帯血のHBs抗原を測定し興味ある成績が得られたので報告する。
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