Modern Therapy HBウイルスの母児感染をめぐって
HBウイルスの母児感染の実態
松田 稔
1,2
,
高邑 昌輔
1
,
小西 奎子
3
Minoru Matsuda
1,2
,
Shosuke Takamura
1
,
Keiko Konishi
3
1国立金沢病院産婦人科
2現:山梨病院産婦人科
3国立金沢病院研究検査科
pp.281-286
発行日 1980年4月10日
Published Date 1980/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206227
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いわゆる血清肝炎の原因であるHBウイルスによる家族内感染1〜3)が注目され,その感染様式として母親より児への伝播が疫学上注目をあびており,この母児感染は産婦人科領域,母子保健上大きくクローズアップされ,切実な課題となってきている。
すなわち母親が臨床上まったく無症状のHBs抗原キャリヤーの場合,また母親が妊娠中(とくに妊娠後半期)に急性B型肝炎に罹患した場合のいずれでもHBウイルスの母児感染4〜9)が問題となる。とくに児の免疫能の完成していない分娩前後におけるHBウイルスによる感染は,児のhealthy carrier成立10)上重要な鍵となることが考えられることから,HBs抗原陽性妊婦およびその出生児を追跡し,感染率,感染媒体,感染経路などについて検索を行ない,その実態について考察を行なってみた。
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