特集 ホルモンと生理活性物質
総論
4.ホルモン異常と遺伝子診断
1)下垂体―甲状腺―副甲状腺系
巽 圭太
1
,
網野 信行
1
Ke-ita TATSUMI
1
,
Nobuyuki AMINO
1
1大阪大学医学部臨床検査診断学教室
pp.31-34
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902167
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はじめに
1つのホルモン機能の異常はホルモン産生細胞における生成・分泌の異常と,標的細胞におけるホルモン作用の発現の異常(不応)により起こり,さらに,その上位ホルモンから下位ホルモンに至るさまざまな段階での異常を考慮に入れる必要がある(図1).
さて,これまでの蛋白・細胞レベルで発見されてきた異常はホルモン蛋白,ホルモン合成酵素,ホルモン結合蛋白,ホルモン受容体,伝達器の異常で,現在ではその多くの病因が遺伝子レベルで明らかにされている.さらに,これまで蛋白・細胞レベルでは解析できなかった蛋白の異常に関しても,最近では分子生物学の進歩によりそれらの遺伝子の解析から病因が明らかにされ始めている.
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