特集 産婦人科における凝固線溶系異常
ヘパリンの線溶系に対する効果
中林 正雄
1
,
荻野 雅弘
1
,
金子 義晴
1
,
丹羽 つた子
1
,
佐藤 和雄
1
,
坂元 正一
1
,
武田 泰彦
2
Masao Nakabayashi
1
1東京大学医学部産科婦人科学教室
2コロラド大学医学部内科
pp.589-598
発行日 1977年7月10日
Published Date 1977/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205648
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heparinは古くから抗凝固剤として広く使用されているが,最近DICの治療としてheparinが使用されるようになって以来,その凝固系および線溶系に対する効果に興味がもたれてきている。
heparinの凝固系に対する作用機序については,すぐれた論文が数多くある1〜5)。heparinは,その作用発現に関係するcofactorであるantith—rombin ⅢとともにF-lXa,F-Xa,thrombinの活性を抑制するといわれている。一般にantithrom—bin Ⅲは生体内で血中の活性化凝固因子とゆっくり結合し,それらの活性を抑制するが,heparinの存在下ではその反応速度が非常に速くなり,そのためにheparinの抗凝固作用があらわれるものと考えられている。
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