疾患の病態と治療 日常診療の再検討
妊婦の栄養管理と保健指導
林 義夫
1
Yoshio Hayashi
1
1林産婦人科
pp.433-437
発行日 1977年5月10日
Published Date 1977/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205622
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妊娠時における母体の栄養は妊娠の維持,分娩の遂行,産褥の回復に重要な影響をもつのみでなく,胎児の発育,新生児の予後とも関連し,そのもつ意義は改めて強調するまでもない。事実,本邦においては昭和34年来,数次にわたる厚生省の妊婦栄養基準の呈示および改定が行なわれ,現在は昭和50年の基準があり,妊婦栄養の推進が行なわれている。
しかしながら妊婦の栄養については,従来より多く理論的にそのもつ意義と重要性が強調されてきた反面,また,食事栄養という課題が極めて身近な日常生活上のことでありながら,その実際面ではむしろ今なお観念的な知識として無視あるいは看過されがちであり,今日なお母子保健指導上の大きな課題である。
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