連載 母子保健への提言
妊婦の過剰保護を改めよう—その2 妊婦に対する"心身の安静指導"の誤りについて
林 義夫
1
1林産婦人科
pp.96-101
発行日 1977年2月10日
Published Date 1977/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205807
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はじめに
従来妊婦に対しての日常の保健指導の実際面で,私達医師や助産婦,保健婦がよく口にし,また多くの産科成書,妊婦むけのガイドブック,あるいは保健指導の専門書などにも,極めて安易に記載されている妊娠時における"心身の安静"は本当の意味で必要な指導事項であろうか。
本誌前号で記述したように,今日とくに都市型妊婦の日常生活の背景には著しい生活様式の変化がおこっており,その生活の基盤では妊婦身体の極めて著しい運動労作の抑制と,それに加えるに妊婦周囲からするはなはだしい過剰保護化がみられているのである。
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