連載 母子保健への提言
妊婦の栄養指導について考えなおそう
林 義夫
1
1林産婦人科
pp.222-227
発行日 1977年4月10日
Published Date 1977/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205839
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はじめに
妊娠中の栄養は母体に対しては妊娠の維持をはかり,分娩を遂行し,そしてまた産褥の回復にとって重要な影響をもつだけではなく,胎児の発育にも当然影響をもたらし,また引き続く新生児の発育にも当然影響をもたらし,また引き続く新生児の発育やその予後にも影響を及ぼすものと考えられ,かつまた泌乳機能にも影響をもち,そのもつ意義は大変大きい。この意味から,ひとの一生のうちで妊娠時ほど栄養の大切な時期はないということができる。
実際わが国においても昭和34年来,数次にわたる厚生省妊婦の栄養基準の呈示や改定が行われて,現在は昭和50年の基準があり,それにもとづく妊婦栄養の推進が行われているのは御存知の通りである。
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