疾患の病態と治療 先天性胎児・新生児異常
新生児の主要臓器の形態異常—その病態と治療
麻田 栄
1
,
山本 哲郎
1
,
久保 雅子
1
Sakae Asada
1
1神戸大学医学部第二外科教室
pp.797-803
発行日 1976年10月10日
Published Date 1976/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205486
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新生児の主要臓器の形態異常について述べるに先立ち,現在,新生児外科領域で取り扱われている疾患の種類と頻度を知る必要があろう。第11回日本小児外科学会会長石田教授1)が,昭和48年度に病床数200床以上の283施設から新生児手術症例を集計された結果によると,1年間に約1,600例の新生児が手術を受けており,疾患の種類と手術成績は表1の通りであった。これを過去,数度にわたって行なわれた集計調査2,3)と比較したところ,新生児の手術件数は,年々増加の傾向にあって著しい進歩・発展をとげていることがわかった。
この機会に産科の生先方に,われわれ外科医が取り組んでいる新生児外科について,より多くの御理解をいただくならば,この領域の一層の進歩につながるものと確信し,新生児の主要臓器の形態異常について,病態と治療を中心に,われわれの経験をも折り混ぜながら述べてみたい。
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