疾患の病態と治療 先天性胎児・新生児異常
胎児の血液型不適合の病態生理と治療
堀口 文
1
Fumi Horiguchi
1
1獨協医科大学産科婦人科学
pp.791-796
発行日 1976年10月10日
Published Date 1976/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205485
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
母児間のRhおよびABOなどの血液型不適合妊娠による新生児の溶血性疾患については,わが国においても約10年前から産婦人科医にとって日常の診療に欠かせない一般的な問題になったが,さらに交換輸血や光線療法などを初め重症黄疸の治療法がよく行なわれるようになり,新生児死亡や核黄疸の後遺症による脳性麻痺などが著しく減少した。しかし母児間血液型不適合の組合わせの割合は不変であるから,その予防は依然として重要である。また,治療法についても時代の変遷がみられ,交換輸血の何割かは光線療法にとってかわった。そこで,今回は特に胎児医学の立場から本疾患の本態およびその治療法にふれ,また最近の治療法に関する二,三の知見について述べる。ただし,主として胎児を中心に述べ,生後の新生児における重症黄疸の症状,管理,交換輸血,その他の診療法については簡略にとどめた。
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.