疾患の病態と治療 卵巣とその周辺疾患・Ⅰ
卵胞の発育動態と卵胞液に関する2,3の知見
鈴木 秋悦
1
,
東条 竜太郎
1
,
大山 俊雄
1
,
小林 善宗
1
,
依田 和彦
1
Shuetsu Suzuki
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.361-370
発行日 1976年5月10日
Published Date 1976/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205415
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
従来から,臨床内分泌学の主流は尿中あるいは血中各種ホルモン値の測定方法に関したものにあり,それぞれの値と各内分泌臓器局所における形態や機能との相関については多くの問題が残されてきていた。卵巣の内分泌機能に関しても,ホルモン産生細胞の同定,ゴナドトロピンレセプターの作用機序,黄体化の問題など多くの重要なテーマが残されており,近年,ようやく卵巣のFunctional Morphologyについての関心が高められてきており,卵巣の機能異常に対する治療法の理論的意味づけ,老化に伴う機能変化などの問題が次第に明らかにされてきている。
本稿では,その中で卵巣機能の起点ともいえる卵胞発育の問題に触れて,最近の知見からこれを紹介したいと思う。
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.