疾患の病態と治療 卵巣とその周辺疾患・Ⅰ
中枢—卵巣系相関に関する最近の焦点
五十嵐 正雄
1
,
品田 孝夫
1
,
角田 英弥
1
Masao Igarashi
1
1群馬大学医学部産科婦人科学教室
pp.371-378
発行日 1976年5月10日
Published Date 1976/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205417
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卵巣の形態と機能に関する最近の焦点という副題で,中枢—卵巣系相関についてを述べるようにとの依頼なので,中枢の卵巣に対する作用すなわち下行性作用と,卵巣の中枢に対する上行性作用の二つに分けて考察する。卵巣機能を調節する中枢,すなわち,いわゆる性中枢は視床下部にある。この性中枢から分泌されるFSH-RFとLH-RHとが脳下垂体前葉を刺激してFSH,LHを放出させる。従つて下行性機序は視床下部の下垂体刺激作用と,下垂体の卵巣刺激作用に分けて考察する必要がある。ところで筆者の1人五十嵐1)は,性中枢について本誌(28巻4号1974年)で詳述したことがあるので,視床下部の性中枢とその下垂体刺激作用については本論文では割愛し,下垂体の卵巣に対する作用を品田が,卵巣の中枢に対する作用を主として五十嵐が解説する。
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