今月の臨床 無排卵—病態と治療をめぐるトピックス
新しい病態を探る
2.卵胞発育と成長因子
丸尾 猛
1
,
武木田 茂樹
1
,
望月 眞人
1
1神戸大学医学部産婦人科
pp.1475-1477
発行日 1995年11月10日
Published Date 1995/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902319
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卵胞発育は視床下部—下垂体—卵巣系の内分泌機構により中枢性支配を受けるが,近年,各種の卵巣内因子による局所調節の重要性が指摘されている.卵胞発育の過程では,多数のprimordialfollicleから選択された卵胞のみが発育・成熟を遂げて排卵に至り,他の卵胞は閉鎖の過程をたどる.排卵へ向かう卵胞の選択機序に関してはまだ不明な点が多いが,endocrine因子の作用に加え,卵巣内自分泌/傍分泌(autocrine/paracrine)因子の役割が示唆されている.
本稿では各種細胞成長因子の卵胞発育への関与につき,卵巣外endocrine因子である甲状腺ホルモンとインスリンの役割について述べた後,卵巣内autocrine/paracrine因子であるInsulin-likegrowth factor(IGF)とIGF binding protein(IGFBP)の卵胞発育への関わりについて述べる.
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