薬の臨床
子宮腟部ビラン冷凍後のエレース軟膏療法について
中原 和彦
1
,
木下 和雄
1
,
福田 稠
1
,
前山 昌男
1
,
藤崎 俊一
2
Kazuhiko Nakahara
1
,
Shunichi Fujisaki
2
1熊本大学医学部産科婦人科学教室
2宮崎医科大学産婦人科
pp.73-77
発行日 1976年1月10日
Published Date 1976/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205357
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子宮腟部ビランの取り扱いは面倒な場合が少なくない。近時cryosurgeryの出現により,比較的容易に治癒せしめることができるようになつたためか,手軽にcryosurgeryが施行されている傾向も見受けられるが,いうまでもなく,ビランが良性であることを慎重に確認した上でなされなければならないし,かつ子宮腟部ビランの中でも治療を要さないビランも多く存在することを考えて慎重に対処せねばならない。われわれはそういつた観点から,外来を訪れた子宮腟部ビランの患者に対して,細胞診ならびに腟拡大鏡診による狙いbiopsyにより非癌であることを確認した上で,さらに治療を要すると診断されたビランに対してのみ,cryosurgeryを施行してきた。cryosurgeryの効果に対しては,きわめて良好な成績が報告されているが,子宮腟部ビランでも人によりさまざまであり,cryosurgeryに使用する冷媒の相異による凍結部位の温度,probeの大きさ,あるいは凍結時間により治療成績が左右される。したがつて必ずしも,cryosurgery1回施行のみで全てが完治するというわけでなく,しばしば2回あるいは3回施行する例が多くなることも日常経験するところである。
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