MY THERAPY in Series・44
子宮腟部ビランの観血的治療について—特にわれわれの行なっているSturmdorf手術
富沢 康二
1
1三重県立大学
pp.449
発行日 1966年6月10日
Published Date 1966/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203496
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子宮腟部ビランは産婦人科医がしよつちゆう遭遇する疾患でありながらその治療にたいしてあまり関心がはらわれていないのではないかと考えられる。さてこの仮性ビランの発生機序について現在なお議論が分かれ,炎症ビラン,非炎症ビラン,先天性ビランあるいは分泌局所循環および自律神経機能失調というようないろいろな学説があり,以前からいわれているR. Meyerの説が正しいか,あるいはHamperl. Kaufmann,Fluhmannらがいつている説が正しいかの決定にはまだ時日を要するためその治療においても他の疾患に比べておくれている現状である。
産婦人科外来診察で子宮腟部ビランのため通院加療する患者が多くみられるが,現在行なわれているビランの保存治療では全治することが困難であり,その上治療に長期間を要するため途中で治療を中止する場合が多い。そのため慢性ビランの患者で将来悪性に変化する恐れのあるものやあるいは患者が希望するときには,短期間に治療完了可能な観血的治療を行なうことにしている。
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