薬の臨床
子宮内膜症のダナゾール療法中の発疹についての対策—トラニラストによる治療
中原 和彦
1
,
鬼塚 芳夫
1
,
今村 弘
1
Kazuhiko Nakahara
1
1熊本逓信病院産婦人科
pp.857-860
発行日 1987年12月10日
Published Date 1987/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207707
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子宮内膜症(エンドメトリオージス)は近年増加の傾向にあり,その治療方法も昭和58年にダナゾールが導入されて以来大きな進歩を遂げたと言って良い。
ダナゾールの有効性については枚挙にいとまがないが,副作用の発現も少なくはない。ダナゾールの副作用である発疹に対して抗アレルギー剤であるトラニラストを投与し,ダナゾールによる治療を完結することが可能であった症例を経験したので報告する。
ダナゾール投与後発疹の発現した7例に対して,ただちにトラニラストの併用を行い,全例で発疹の消失を認めた。トラニラストは1日量300mgを3回に分けて,7〜21日間投与した。この間,新たな副作用の発現も認められなかった。
なお,ダナゾールの投与はそのまま継続可能であった。
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