今月の主題 胃のびらん
綜説
<抄訳>ビラン性胃炎
青山 大三
1
Daizo Aoyama
1
1大阪回生病院放射線科
pp.742
発行日 1967年6月25日
Published Date 1967/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110560
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ビラン性胃炎は病理学者には以前から知られていたし,偶然に内視鏡学者によって観察されたことがある.1932年にレ線的にもHenning,Schatzkiによってみられた.ともあれレ線診断は困難であると考えられているが,1955年までには39例以上はレ線的には診断されていなかったが文献数は232もあるし,診断法には内視鏡がなお唯一の方法と考えられていた.レ線検査の技術の改良がルーチン検査でさえ診断可能にした.著明な症例は患者の約196ある.外科的材料では2.9%ある.11歳以上何歳でもあり,31~40歳で最高を示し,男女比は2:1である.
切除胃ではふつう前庭部にあり,17%が胃底腺領域にある.粘膜欠損は1~8mmである.時々不規則になったり融合して数cmにまでなることがある.欠損部の底部は大抵灰色,黄色であり,赤色のこともある.欠損の周辺は壁を作って隆起していることもあるが著明でないことがあり,全くないこともある.ビランは前庭部にビマン性に拡がっていて潰瘍のように小彎に限局する傾向はない.
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