特集 産婦人科手術のポイント
IV.手術の適応と術式の選択
帝切の術式の選択と適応
山村 博三
1
1聖バルナバ病院
pp.924-925
発行日 1975年12月10日
Published Date 1975/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205277
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腹膜内子宮体部縦切開は過去においては広く用いられた術式で,時には子宮底横切開(Fundal—schnitt)も行なわれたこともある。現在では,前置胎盤,下肢脱出の骨盤位など,限られた場合に用いられている。しかし,前置胎盤,頸管胎盤では,時として,胎児娩出後,胎盤の剥離障害があり,用手剥離を必要とする場合があるが,この際,体部縦切開よりも子宮下部横切開の方が実施し易いことや,胎盤娩出後の弛緩出血のため,いわゆる,腟上部切断術を必要とする場合のあることなどから,前置胎盤でも子宮下部切開をよしとする術者もあり,筆者も賛成である。
子宮壁は2層縫合がよい。腹膜内手術では術後の大網,腸管の癒着を避けるよう,配慮しなければならない(後述)。
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