中検へ一言・中検から一言
Radioimmunoassay法のルーチン化,他
小出 輝
1
1順大・内科
pp.728-729
発行日 1975年7月15日
Published Date 1975/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909030
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最近の病院における臨床検査の進歩は実に目覚ましいもので,わが国の医学の歴史の中で最も進歩の著しいものの一つであろうと著者は考えている.思い起こせば,著者がインターンのころ,尿毒症や糖尿病の患者を受けもつとそれこそ大変で,慣れない手つきで血清残余窒素を,Parnas法で測定したり,血糖をHagedorn-Jensen法で測定したりして,朝から晩までかかった.あげくのはてに,回診では教授から"この測定法は当てにならないな"などと皮肉を言われて意気消沈したものである.それが今では,検査項目に印をするだけで,正確な結果が迅速に得られるようになった.まことにご同慶のいたりである.しかし,このことにも問題がないわけではないが,これについて述べることは,またの機会として,ここでは臨床検査室の将来についての注文を述べたいと思う.近年,Radioimmunoassay法,あるいはprotein-binding assay法が開発され,ホルモンをはじめ種々の物質の微量定量に用いられ始めている.そして,今日の内科学では,血中のホルモンをはじめとする微量活性物質を測定することは,疾患の診断や治療判定に欠くべからざるものとなってきている.しかし,現在,臨床検査室でRadioirnmu-noassayを用いてホルモンの定量を行っているところは極めて少ないのではないかと考えられる.
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