明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 胎盤
Topics
Human Placental Lactogenの連続的測定による過期妊娠の管理
貝原 学
1
,
丸本 百合子
1
,
気賀沢 和子
1
,
小林 拓郎
1
Manabu Kaibara
1
1東京大学医学部附属病院分院産婦人科
pp.861-864
発行日 1984年11月10日
Published Date 1984/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207085
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妊娠42週をすぎても分娩に至らない場合は過期妊娠とよばれ,胎盤機能不全などの異常の発生率が増加することが知られている。しかし,実際には在胎期間が42週以上にわたって持続する真の過期妊娠は少なく,排卵の遅れにもとづく見かけ上の過期妊娠が大部分を占めるといわれている1,2)。基礎体温が記載されていたり,妊娠の初期に超音波断層法3)や血清ヒト胎盤ラクトーゲン(以後HPLと省略する)の測定4)などによって,妊娠週数の診断が正しく行われていれば問題はないが,多くの場合にこのような検査が行われておらず,真の過期妊娠か否かの判定に苦しむ場合が多い。
過期妊娠を含めて予定日を超過した妊婦に対して分娩誘発の時期を決定する方法として,尿中E3値の定量5),耐熱性アルカリ・ホスファターゼ(HSAP)6)やcystineaminopeptidase (CAP)の定量7)ならびにオキシトシンによる子宮筋感受性試験8)などが用いられているが,血清HPL値の推移をみることも一つの有力な方法てある。本稿では,血清HPL値の連続的測定を主体とした予定日を超過した妊婦の管理法について述べてみたいと思う。
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