明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 乳腺
プロラクチンと産褥乳汁分泌
青野 敏博
1
,
佐久本 哲郎
1
,
吉本 泰弘
1
,
倉智 敬一
1
Toshihiro Aono
1
1大阪大学医学部産婦人科学教室
pp.575-580
発行日 1984年7月10日
Published Date 1984/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207024
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1972年にプロラクチンのラジオイムノアッセイが開発され,血中のプロラクチンの推移を詳細に測定できるようになってきた。その結果,妊娠産褥期における乳汁の分泌とフロラクチンの関係が明らかになり1),プロラクチンの多彩な生理作用のなかでも,乳汁分泌の促進作用はもっとも基本的なものであることが確かめられた。
本稿では,まず妊娠中のホルモン動態と乳腺の発達に関して述べたあと,産褥初期の乳汁分泌の開始とプロラクチンの関係について解説し,次いで産褥後期の乳汁分泌維持に対するプロラクチンとオキシトシンの役割についても言及する。また産褥期に乳汁分泌の促進と抑制を図る場合があるが,プロラクチン分泌の調節を介するそれぞれの治療法について,われわれの成績を中心に述べることとする。
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