原著
α—fetoprotein測定による流産の予後診断—子宮出血中の測定を中心として
佐藤 芳昭
1
,
八向 勉
1
,
広井 正彦
1
,
竹内 正七
1
Yoshiaki Sato
1
1新潟大学医学部産科婦人科
pp.617-620
発行日 1974年9月10日
Published Date 1974/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205073
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臨床的に流産の予後を早期に診断し,妊娠を継続させるか否かを決定するにあたつては,今日の種々の診断法を用いても私たち臨床医は困惑を感ずることが少なくない。そのために患者にとつて結果的には不必要な治療が長々と行なわれていることも多い。よつて切迫流産症候を示した妊婦の予後が良か不良かをより早期に,より確実に診断する方法が切望される。私たちは最近注目をあびている胎児性蛋白であるα—fetoprotein (以下AFPと略)を,妊婦血清について測定することが,流産の予後を診断する上での一方法となり得る可能性をすでに報告した2)が,今回はさらに母体血と子宮血中に存在するAFPを測定し,その値が流産の予後を判定する上での1つのindexとなり得るか否かを検討したので,その一部について報告し,あわせて現在まで知られている文献的考察も行なつた。
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